高知中央高校ラグビー部 SAMGUYS です。
今日の合同練習の様子を報告します。
合同練習
with 佐野日大高校(栃木)
8月10日 (木) 9:30 ~ 11:00
at 菅平高原グラウンドNo.66
関東の強豪、栃木県2位の佐野日大高校ラグビー部との合同練習。
個人的には部長 西川が今回の遠征合宿で最も楽しみにしていたイベントでした。
佐野日大高校ラグビー部の 藤掛 三男 監督は、部長 西川の大学ラグビー部の大先輩で、栃木県立佐野高校(花園出場) → 早稲田大学(大学選手権 & 日本選手権 W優勝) → ワールド(全国社会人大会 準優勝)と日本のトップレベルのチームで大型CTBとして活躍されました。
当時の異名が “突貫小僧”…。日本での大型CTB隆盛の先駆けとなった名プレーヤーで、日本代表にも選出された 我々世代にとってはスーパースターでした。
その藤掛さんが現役を引退されて高校指導者の道に入られた頃、高校日本代表チームのコーチ(西川がFW、藤掛さんがBK)を同時期に一緒にさせていただいた17年前からのご縁で今回の合同練習が実現しました。
佐野日大高校のある栃木県は、先日全国セブンズで SAMGUYS も対戦した國學院栃木高校という花園ベスト8常連の超強豪校がいるため、佐野日大高校はまだ花園出場は果たしていないものの、土佐塾高校ですら数年前に花園で100点近く取られた國學院栃木高校を相手に 20~30点差に肉薄するまで佐野日大高校ラグビー部は強くなっています。
そのノウハウを、選手のみならず我々指導陣も吸収させてもらいたくて今回の合同練習をお願いしました。
最初に驚いたのは選手たちの丸太のような腕や太ももの太さに、胸板の分厚さ。
SAMGUYSメンバーでかろうじて対抗できるのは ツポウ & マナセのトンガ人留学生コンビぐらいでしょうか…。四国ではおそらく最強クラスの 3年 PR 樋口でも、佐野日大の PR の選手と比べると見劣りがしました。
聞けば ストレングス & コンディショニングの専門家にトレーナーとしてチームに関わってもらって鍛えているとのこと。そうでなければとてもじゃないけれど國學院栃木や 関東大会で当たる他県のチームに対抗できないそうです。その辺りにもレベルの高い関東と四国の差を感じてしまいました…。
合同練習のメインは FW・BK のユニットごとに別れて 相手をつけての実戦練習。
まだまだ部員数が潤沢ではない SAMGUYS にとって、相手をつけて課題を抜き出しての実戦練習は普段はでなないことなので、この貴重な機会を最大限活かさなければなりません。
BKの方は、本職の藤掛さんと梶山監督にお任せしてたのでほとんど見ていません…。
写真だけ撮りに行ったのがコチラ↓
1枚目中央の帽子の方が藤掛さんです。
部長 西川は岡田コーチと一緒にFWの方に。
まずは定番のスクラム練習から。
フロントローとセカンドローの組み合わせを入れ替えて組むことで、各々 組み方のアドバイスもしてもらいました。
その後、フルメンバーでガチンコの組み合い・押し合いをしましたが、今遠征合宿の試合でも押されたことがなかった四国最強PRの 3年 樋口をもってしても全く歯が立ちませんでした。
もちろん一個人の力量だけでスクラムが成り立つはずもなく、樋口以外のメンバーの力不足、チーム・FWユニットとしての成熟度の低さなど、総合的な実力不足でした。
その現実をメンバーたちが どう受け止めてくれたか…。
次のラインアウトの攻防練習ではさらにショッキングな光景が…。
当然のようにキャッチングの攻防も、今日のメインに位置づけていたラインアウトモールの攻防も、ほぼ壊滅的に歯が立ちませんでしたが、最もショックを受けたのはそれらの攻防練習の前。各チームごとで、その後の攻防練習に向けてサインプレーの “合わせ” と呼ばれる確認練習の時でした。
佐野日大の選手たちはリーダーの一声で小走りに駆け出し、サッと並んでパッパッとテンポよく投げ込みサインを確認していきます。
それに対して SAMGUYSメンバーたちはトボトボと歩いて所定の位置に移動。
移動してすぐに始まるのかと思ったら何やら話をしているようで一向に始まりません。
チームで話し合いでもしているのかというと、全然別方向を向いて佇んでいるだけの選手もいたのでそういうわけでもありません。
見るに見かねた岡田コーチが『一体いつになったら始まるんだ?! 相手を見てみろ!』と一喝してようやくスタート…。
始まったら始まったで、試合本番の時のラインアウトとは程遠い 50%程度のスピードでのリフトアップ…。
持ち上げたジャンパーを降ろす時もただ降ろすだけ。連続して発生するはずの次のプレーへのアクションなど全く意識の外でした。
ただリフトアップしてラインアウトスローの調整をしているだけで、全く試合本番の厳しさを意識した練習になっていません。
それどころか、うまくスローやリフトができているのか できていないのかについて、誰かから声がかかることもなく、ただ淡々と進むので調整練習にすらなっていません。
理由は簡単。
本気のリフトアップは素早く低くしゃがみこんで、そこから頭上高くまで一気に選手を立ち上がりながら持ち上げないといけないので、とてもしんどい動作だからです。少しでも楽をしようと重要な基本動作を無意識に手抜きをしているわけです。
そうやって元々手抜きをしているから、肝心の “試合の準備” にまで意識が至っていないのです。
これは普段から岡田コーチが口を酸っぱくして言い続けていることですが、意識レベルが低く、全く本気の練習になっていません。
それに対して佐野日大は、リフトアップする選手たち(リフター)が、跳び上がる選手(ジャンパー)をまるで空中に放り投げるかのごとく本気のリフトアップ。そのためには前述したようなしんどい基本動作を手抜きなしで徹底しなければなりません。
全く “調整練習” ではありません。“試合の準備としての本気の練習” でした。
それを選手たち自身が、誰かから何を指示されるわけでもなく、当たり前のこととして自発的に徹底していました。
もちろん、リフトアップの微妙なタイミングのズレなど、細かい修正ポイントについて、リーダーを中心に手短にパッパッと意見交換が行われ、部外者が見てても退屈しない練習がテンポよく展開されていました。
思わず 『もうやらなくていいから、佐野日大の選手たちの練習を見てみろ』と、“試合の準備のための本気の練習” がどういうものかを感じとってほしくて、“調整(手抜き)練習” を止めてしまいました。
その一連の流れを踏まえた上で、その後の攻防練習で全く歯が立たなかったので、今度こそ選手たちには身に染みて自分たちの練習やトレーニングに対する意識レベルの低さを、もっと言えば自分で選んで始めたラグビーに対する取り組む姿勢について反省してほしいと思います。
我々 指導陣も、その選手たちの姿勢が直るまで徹底して正せていなかったこと、妥協してしまっていたこと、目配りを怠っていたことを反省しなければなりません。
結局のところ選手たちは指導陣の姿勢を見て、様子を窺いながら『このぐらいはいいだろ…』と妥協をするのですから…。
猛省します!
最後には佐野日大高校ラグビー部のトレーナーさんの仕切りで、両チーム入り乱れてのクールダウン。
お互いに一発ギャグを披露したりしながら交流を深めていたようです。
最後に両チーム主将の挨拶で締めましたが、佐野日大の主将や藤掛さんが言ってくれた『ぜひまた一緒に、今度は試合もやりましょう!』という言葉に応えられる相応しいチームに、指導陣も、選手もならなければいけません。
チーム一丸となって頑張りたいと思います!
その事に改めて気づかせてくれた今日の合同練習は大成功でした。
佐野日大高校ラグビー部の選手の皆さん、藤掛さん、スタッフの皆様、本当にありがとうございました!