オール高知 vs. オール福岡
at 小浜市総合運動公園 陸上競技場G.
(5位・7位決定戦へ)
オール福岡は登録メンバー 23名中、昨年度 花園ベスト4の東福岡高校から20名を選出した正真正銘の強豪県(他は筑紫高校から 2名、小倉高校から 1名、いずれも他県なら十分花園を狙える強豪校)。
その強豪との試合に向けてオール高知は、昨日の1回戦で細かい怪我人が続出したこともあり、メンバー編成に工夫を加える必要に迫られました。最終的には、相手の個々のポテンシャルの高さを活かした奔放なプレーを寸断できるフィジカルの強さと、セットプレーを重視したメンバー編成で挑みました。
SAMGUYSメンバーで言うと、3年 WTB 松浦と 2年 CTB 秋沢が昨日のケガで大事をとってベンチスタート。
その代わりというわけではありませんが、2年 PR 岡﨑 と 2年 HO 中田がスクラムの強さを買われて先発出場。
2年 LO 山本も相手ラインアウトにプレッシャーをかけるためにスターターに抜擢。
もはや FW・BKの大黒柱である 2年 No.8 ツポウと 2年 WTB マナセの 2人と合わせて、昨日よりも多い 5名の SAMGUYSメンバーが先発出場を果たしました。
試合の方は、さすがに全国屈指の強豪県であるオール福岡。個々のポテンシャルで上回り、グラウンドを幅広く使った展開攻撃を仕掛けてきます。
その攻撃に対してチーム全員で懸命にタックルでくらいつき、ツポウを中心とした FWバック5(LO・FL・No.8)と オールラウンドプレーヤーのマナセが、コーチ陣からの特命を受けた低い姿勢の仕掛けでボールに働きかけ、相手の攻撃を寸断するまでは至らずともテンポを遅らせることに成功。
これまでの実績の違いから大量失点も覚悟していましたが、スコア的にゲームを壊すことなくハーフタイムを迎えられました。
特筆すべきは やはりツポウ・マナセ コンビの獅子奮迅の活躍。
どうしても格上の相手に対する劣勢なゲームでDF局面が増えますが、身体を張った強烈なタックル、前述したボールへの鋭い仕掛けでチームの先頭に立って対抗。
それだけでなく攻撃面でも、相手タックラーを弾き飛ばすボールキャリーで突破口を開いたり、懸命にチーム全員で繋いだチャンスを締め括ってトライもマーク(前半にマナセ、後半にツポウが 1本ずつ)とフル回転。
タレント集団のオール福岡に一泡も二泡も吹かせたオール高知少年チームの中心で大車輪の活躍だったようです。
もうひとつ、スコアは開いたものの後半に観客席が沸いた場面があったそうです。
それは、後半早々に交代出場で 2年 PR 濱村が投入され、①岡﨑・②中田・③濱村と FWフロントローが全て SAMGUYSメンバーとなったところでのスクラム。全国的にもスクラムの強さに定評のある東福岡FW陣を向こうにまわして、なんと組み勝ってスクラムを押し込んだとのこと。3人とも 2年生、しかも岡﨑・濱村の2人は高知県出身のラグビー未経験入部。わずか1年半のキャリアで東福岡と互角以上に渡り合うとは…。
この場面を見た高知県ラグビーの関係者たちは、善戦しつつもさすがのオール福岡の分厚い壁に跳ね返されるゲーム展開に(それ以外にも…)たまったフラストレーションがスッと引くような、溜飲が下がる想いだったそうです。
最終的なスコアは やはりまだまだ完敗ですが、これはオール高知少年チームにとっては持てる力の全てを出し切った価値の高いゲームだったと思います。
高知ラグビースクール(少年・児童)からのメンバーも多数進学し、中高一貫でハンドリングやキッキングスキルを磨き、ラグビーのゲーム理解度を年々高めてきた土佐塾高校のメンバーを中心に、トンガ人留学生を筆頭にフィジカルの強さを持ち味にする SAMGUYS と 高知工業高校のタレントをアクセントに加えた高知県ラグビーの総力が、全国ベスト4以上のチーム相手にも戦える可能性を示してくれたのではないでしょうか。
1日休養日を挟んで 明後日には、オール石川との 5・7位決定戦を戦うことができます。
オール高知少年チームにとって歴史的な大会となった “福井しあわせ元気国体 2018” を締め括る最高のゲームを期待してます!