こんばんは!
日生学園第二高校ラグビー蹴球部 “ラグビー魂” です!
母校 茗溪学園の全国大会ベスト8をかけた3回戦、vs.佐賀工業高校戦は 10‐10 の同点引き分け。抽選の結果、準々決勝への進出はなりませんでした…。
平均体重で5kg以上は上回る重量FWの佐賀工業高校は、時にはBKプレーヤーも参加する“11人モール”を繰り出してくるなど、徹底したFW戦を挑んできました。
これは、FWが軽量な茗溪学園を相手にする場合の常套手段ではあります。
前半、風上に陣取った佐賀工業はキックとサインプレーで茗溪陣内に侵入すると、徹底的に大型FWの縦突進とモール攻撃で茗溪学園を自陣G前に釘付けにしました。
しかし、茗溪学園も低く鋭い出足で体を張ってしつこくディフェンス!
結局モールドライブからのトライは許しませんでした。惜しむらくは、相手がモールを押しきれずに仕方なく展開してきたところで、FW戦に集中しすぎていたためにマークを外され、5点を先制されてしまいました。
その後も、自陣からでもFW戦とキックで前進を図る佐賀工業に対してなかなかチャンスをつかめない茗溪学園でしたが、ラインアウトからのワンチャンスを活かし見事なサインプレーを決めてトライを返しました。強風下でのゲームのためか双方ともに
GKは外し、5‐5 でハーフタイムを迎えました。
後半は陣地が入れ替わり、強風という難敵を味方につけた茗溪学園が攻勢に出ます。強風を利したキックも織り混ぜながら、一番の持ち味である判断の的確さを発揮して前進。佐賀工業の堅いディフェンスに苦しみながらも、判断・ランニングコース・パスタイミング・スピード全てに完璧な連続攻撃を繰り出し、トライを奪取!
10‐5 とリードしました。
しかし、このまますんなり逃げ切ることはできませんでした。
佐賀工業のなりふり構わない怒涛のモール攻撃にゴールラインを明け渡し、
10‐10 の同点に…。
その後、残り10分ほども一進一退の攻防を展開し、双方譲らず同点引き分け…。
抽選の結果、準々決勝への進出はならず、茗溪学園は敗れることなく花園を去ることになりました…。
この試合で最も残念だったのは、試合内容よりも抽選直後のシーン。
大会本部の部屋で抽選を終えた両チームのキャプテンがそれぞれのロッカールームに戻る途中。通路で待っていた佐賀工業の指導陣が、ロッカールームに入る前にキャプテンから結果を聞き出し、周囲にはばからずその場で喜びを爆発させました。
気持ちは分からないでもないですが、そこには引き分けながら次戦に進めなかった相手チームに対する配慮は欠片もありませんでした…。
そのシーンを横目に、涙をこらえながら自軍のロッカールームに戻る茗溪学園キャプテンの心中はいかばかりだったでしょう。
引き分け直後から、『抽選勝ちしても相手を思いやって大騒ぎするなよ…』 と選手たちに自制を諭していた茗溪学園の若いコーチ陣は立派だったと思います。
そういう試合の勝ち負けよりも大切なことを高校生に教えることが、高校スポーツ指導者の責任だと改めて思いました…。
私自身これまでの日生学園での指導を振り返って、クラブ最優先・自己中心的な考え方・勝利至上主義になってはいなかったかと自問自答する機会になりました。